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Thu.

プライド頂上決戦・ヒョードルVSミルコ

PRIDE GP 2005 2nd ROUND先日のプライド・ミドル級グランプリはとうぜん見てました。2日遅れの地上波でだけど。
ものすごく面白くて夢中で見ていたものの、あまりにも美しく素晴らしいばかりで、かえって特に思いつくことが何もなく。(汗
なんとなく言葉もなくて、日記上では一言もなくスルーしちゃってました。

中でも美の極致だと思ったのは、やっぱりワンデイ・トーナメントのミドル級よりも、同日開催されたヘビー級タイトルマッチ。言わずと知れた、「氷の拳/ロシアン・ラストエンペラー」こと現王者エメリヤーエンコ・ヒョードルに「戦慄の左ハイキック/無冠の超人」ミルコ・クロコップが挑んだあの一戦です。
最初の5分はスタンディング・ファイト中心の展開の中でミルコが主導権を握り、あとはグラウンドの攻防を中心に、スタミナの問題から動きの落ちたミルコをヒョードルが追い詰めていく、という展開だったけど、両者とも凄まじい集中力と闘志で、言葉で表現しようにも追っつかないような異常に緊迫した空気が最後の最後まで持続していた。


序盤を除いては主導権をヒョードルに握られてしまった感のあるミルコも、敵のフィールドであるグラウンドでの防戦ではその超人ぶりを遺憾なく見せ付けた。
もともと、グラウンドといえば柔術の天才であるかつての無敗王者「リオの柔術マジシャン」アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの天下だったわけだけど、その覇権を事実上粉砕したのがほかならぬ現王者のヒョードル。彼は「一般論として、柔術使いがいちばん有利」なはずだったグラウンドの攻防で、「グラウンド状態から拳で猛ラッシュ」すること(「パウンド」と呼ぶらしい)を軸にした新たなスタイルでノゲイラを撃破し、世界最強の地位を築いて見せた。その猛攻は柔術の天才ノゲイラでさえ、リベンジを狙った2度目の対戦でも打破できなかったほどの凄まじい破壊力だ。

ところがミルコは、ノゲイラでさえコントロールできなかったヒョードルのグラウンドからの猛ラッシュを、自分が下になった不利な体勢を延々と強いられながらも、最後の最後までコントロールし、決定的ダメージを負わずに凌ぎ抜いて見せた。ミルコはノゲイラなどとは違って、本来は打撃オンリーで寝技・つかみ技などのないK-1から出てきた立ち技打撃系ファイター(≒キックボクサー)だから、そういう展開では絶対的に不利になってもおかしくないんだけど。この試合に限っては、本職の立ち技よりもむしろ劣勢を強いられた寝技での攻防において、驚異的な成長ぶりと天性の直感力とを証明することになった。
その執念と集中力、精神力、そして格闘センスは、やっぱり最強の挑戦者のそれだった、と僕は思う。


けれども、判定になってしまえば、序盤を除いてほとんど防戦一方だったミルコに勝ち目はなかった。彼自身も勝敗を悟っていたらしく、やや呆然とした面持ちで判定を待ち、3-0の判定を聞くとヒョードルを称えて、やがて静かにリングから引き上げていった。気丈に胸を張り、世紀の名勝負に酔った観衆の歓声にときおり右手を上げて応えながら。
まさにプライド、という光景だった。そしてリング上で、いつものようにかすかな微笑を浮かべて周囲の祝福を受けるヒョードルもまた。
あまりにも見事な勝負を目の当たりにして、あのとき会場にもテレビの前にも、敵も味方もなくなっていただろう。少なくとも僕はそうだった。もともと敬意を抱いていたヒョードルにも、ずっと応援してきたミルコにも、心の底から満足してしまって、「あれがああだったら」とかつまらないことを考える気にもなれなくなっていた。

あれは素人目にも、どちらの側にも心残りなどない、すべてをぶつけ尽くした死闘だったから。
言葉もなく、ただ拍手をしていたかった。
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