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Sat.

川本真琴のこと

僕はどちらかといえば批判的な人間だけど、そのくせ自分と同じ批判的なタイプの人間があまり好きではなかったりする。
批判なんていう行為は実際、必要がない人にとってはまったくの無駄だとさえ思う。
だがしかし。とか続けるためではなくて、本当に本心から。
たとえば僕が歌を創るようになった直接のきっかけは、何を隠そう川本真琴というちょっとアイドルじみたシンガーソングライターだったんだけど。
あの人はまさに僕とは正反対のタイプだった。
好きとか面白いとかカッコいいとか、そういう肯定的な意識だけで価値観が成り立ってるみたいな。

遠慮なくいわせてもらえばあの人の場合、批判能力なんかはたぶん、ゼロに近い。これは頭の良し悪しでは全然なくて、その手の嗜好性をまったく持っていないから。
でも、そういう人が「これが好き!」といった瞬間、ほかのものははるか後方に霞んでしまう。
そうして、川本真琴は好きなものだけにのめり込む。そこには批判なんてものの挟まる隙間はない。
僕にとって、それは目が覚めるほど新鮮な感覚だった。
よけいなものなどは何もなくて、とにかく自由だった。
僕は自分自身も、なんとかしてそういう人間に変わりたいと思ったくらいだった。実際に、努力もした。


でも、さすがにそれは無理というものだとわかった。(笑)
やっぱり人間には先天的な資質や、人それぞれの成長過程というものがある。僕は文字通り革命的に、180度変わりたいと願って、でも結果としてはやんわり変わった。
そういうあり方があるんだということを理解して、たとえば高校時代のように、明晰な批判力に酔うようなことは少なくなった。
そして、ひそやかな羨望を感じるようになった。世間でいう“天然”とか、感覚的な部分の秀でた人たちに対して。

そうこうするうちに、僕は歌を創るようになった。
僕の中にも必ずあるはずの、感情的なもの、感覚的なもの、肯定的なものを、ひとつひとつ探しながら。
僕は川本真琴とはあまりにも違う人間だ。でも、彼女から学んだことは計り知れないほど大きかった、と今でも思っている。
スランプに陥るたびに、僕は川本真琴の歌を聴き返す。
“愛の才能”、“やきそばパン”、“タイムマシーン”、“1”、“ドーナツのリング”……。どれも僕にとって特別な曲だ。

川本真琴を知って、曲を創るようになった今も、僕が批判的な人間なことに変わりはないようだけど。
昔と比べれば、僕はずいぶん自由になった。
歌を創ることを知って、かえって苦しむことは増えたかもしれないけど、それでも。
後悔したことはたぶん、1度もなかった。
それだから今まで続けてこられたんだと思う。
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