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Thu.

中島らも「アマ二タ・パンセリナ」を斬る

ここしばらく、中島らもの「アマ二タ・パンセリナ」を読んでるんだけど。
実に酷いものです。この作品は。

必ずしも最晩年の作品というわけじゃないだけに不思議だけど、「今夜、すべてのバーで」や「水に似た感情」に見られるような公平で率直な、冷徹な視点というものがまったく欠落してるように僕には思える。
ドラッグの品格を語り、シャブ(覚醒剤)は最悪で論外とか、対象の善悪問わず開かれていなければダメで、ドラッグ類も試した上で取捨選別するようでなくては人と猿でいえば猿のレベルだとか、・・・とにかく根拠薄弱な独断が目立つ。
体調の悪い時期だったのかもしれないけど、感覚的に強く思うのは、この人はだいぶ脳の萎縮が進んでいたんじゃないかということだ。

緻密な思考力がない。
それに気づくほどの繊細さもない。
あるいは、語っても仕方のないことは語らないという矜持の高さもまた、ない。
ほかの作品に共通してあった中島らものよさが、この作品ではきれいに消え失せている。
読んでいて退屈ではないのはさすがというべきだけど、哀れを催します。
この作品以降にも優れた作品は書いていたはずだし、そもそも僕のお気に入りの「今夜、すべてのバーで」とそんなに年代的にずれているわけでもないから、とにかくネジが狂っていたんだろうけど。

しかし見苦しい。
この作品は、中島らものキャリアの中での汚点だと思う。
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16:07 | 書籍批評 | comment (-) | trackback (-) | page top↑
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